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「………」
「朔也、何やら納得がいかないという表情をしているな。これは、決定事項だ。お前が異を唱えた所で、何も覆らん」
けっていじこうって…
ボクが言いたいのは、そんなことじゃない!
「……まだ、ジケンがおこってから…みんながしんじゃってから、まだ2時間半しかたってないのに!どうして、カンタンにつぎをきめれるの!?すこしくらい…かなしむ時間くれたって……ッ…!」
ボクを見るお父さまの目がこわくて、コトバが出なくなった。
「悲しんで、どうなると言うんだ?泣いて死んだ者達が生き返る訳でもないのに、時間の無駄になるような事をしていられるか。今生きている俺達が成すべきなのは、悲しむ事などではない。事実を受け止め、前を向いて歩いて行く事だ」おとなになれば、それがあたり前にできるのかもしれない…
でも…
「ボクもやまとお兄ちゃんも、かえでおねえちゃんだって…まだ、子どもなんだよ…?お父さまみたいに、すぐに気もちをかえられない…」
「気持ちを変えろとは、一言も言ってはいない。感情を表に出すな、と言っているんだ。心が顔に出れば、相手に付け込まれる。お前もいずれは、家督を継ぐ者…今の内から、表情を消す事を覚えろ。それと…先程も言った事だが、高木 大和はお前の教育係となった。今後一切…家令・水無月家長女、水無月 楓に対しても名字以外で呼ぶ事は許さん」
イヤだと思っていても、お父さまにさからえない自分がくやしかった。
今は、言うことを聞くしかできないけど…
ボクは…お父さまのようには、なりたくない…
「…わかりました」
そうこたえたら、お父さまはゆっくりとうなづいた。
「最後にもう1つ…」
まだ、なにかあるの!?
もう…イヤだよ…
「なんですか?」
いちおう聞かなきゃ、はなしがおわらない…
「朔也…お前は来年、カリフォルニアの初等科に入学させる事に決まった。それに合わせて…高木と水無月の2名は、編入学という形で朔也と共に行ってもらう。高木、異論はないな?」
「ございません」
ちょっと、まってよ…
ボクは、イロンありまくりだよ…
「ジケンとカリフォルニアと、どういうカンケイがあるの?」
「関係はない。この事件が起こる前から、既に決定していた事。親父が今、外国にいる理由がこれだ。来年のお前の誕生日から、親父とカリフォルニアに住むんだ。そして、9月から初等科に入学する。その手続きをする為、親父が外国に行っている」
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