風は浪々と……

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 一歩一歩大地を踏みしめ進んでいく。  今は小さな一歩。  だが、それはやがて大きな一歩へと変わっていく。  そして、今は独りでも時が来れば独りではなくなる。  次第に歩く者は増え、共に彼方へと向かう。  確かな目的があるのだろう?  明確なものはあるか?  もちろん、それがあるから旅をしているものもいる。  でも、風の赴くまま、ふらりふらりと思いのまま旅をするものもいる。  流浪の果て、彼らは何を見るのだろうか?  彼らは風を楽しむ。  その土地によって、吹き抜けていく風の味わいが違う。  目的がないからこそ、柔軟にそして臨機応変にその場を楽しむ。  臨場感にのり、全てが奏でるリズムにのる。  僕はそんな人たちを見て育った……  だから、今度は僕がそうなるのだ。  まだ見ぬ仲間達。  出来るかどうかすら分からない。  今はそんなことはどうでもいい。  今できること。  それは、風を楽しみ……  一歩一歩、歩みを進めていくことだけだ……  僕は風と戯れながら、草原を駆け抜けていった。 
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