第一生

2/8
前へ
/8ページ
次へ
ここは日本最南端に位置する人口約1万人の島。 その名を鬼増島(きましとう)と言った。 鉄鋼技術により栄えた島。 何より、その鉄鋼技術の粋を集めて作られたのがこのメカニカルな島である。 「期は熟した!! 我々はこれより日本制圧を開始する!」 豪族集団を率いるは この島を築いた棟梁、黒柳蛯名(クロヤナギ エビナ)その人である。 若かかりし頃に九州制圧を成した武功は褪せる気配を見せず、齢50にして未だに現役である。 戦だけでは無い。 彼は10人の妻を娶り、子を孕ました。 「さぁ我が48人の娘達よ!!これより兜割りの儀を開始する。」 兜割りとは戦国時代、戦場にて甲冑を着た敵の頭を兜ごと一刀の下に両断すると言う豪快な剣技である。 黒柳家では大々、家督を譲る際にはこの兜割りを当主交代の儀式としていた。 つまり、例え長男であっても兜を両断出来ねば家督は継げぬのである。 「父上、もし私がし遂げた暁には…お姉様と結婚させて下さい!!」 「む、龍子か。 何を言っておるのだ貴様は!!? まぁ良い。 やってみよ!!」 「おっしゃあぁぁぁ!!割れる気がしてキマシタワー――!!」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加