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翌朝、夏河はコーヒーを入れてくれた。
居候中の日課だ。
「おは。トーカ、食べ。パン」
こいつは普段、日本語を省略する。
「ん。ありがとう」
早起きしてパンを買ってきたらしい。
「なあ、祖母ちゃんが言ってた、お話の女の子の話覚えてるか」
「あー。うん。
話
種
集める」
「……刷込みってすごいな」
あれは結末ではなく、種だった。
まだ物語は
終わってない。
「なあ、ジャリの話をもっと聞かせてくれ」
カップを置いて夏河が背伸びする。
「りょ」
ユルグと火の物語が、残っている。
次の物語への扉が、開いたーーーーー
【完】
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