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流星は手土産の笹かまぼこを食いちぎる。
「サン・テグジュペリの青いバラの挿絵、あれ発見した研究者なんだが、イカネコ氏のインタビュー訳して欲しいんだよ。
」
「ただでさえ、難解な『星の王子様』を?そんな研究者の翻訳は無理だって。」
『♪もしかしてだけど~♪
もしかしてだけど~♪
牛乳パックで椅子作ったら……』
「おお、よん。
どうした」
流星の着信音だった。
(椅子がどうしたんだ……!?)
「おう。トーカならちゃんと家に着いてるぞ。ハハ心配症だな
そうそう、百合イベントの会場抑えたから、有望な作家さん誘ってるんだけど、誰か紹介してくんねーか?……あ、切れた」
「なあ、椅子がどうしたんだよ……」
「そろそろ冷えるな。入ろう。」
「てゆーかここオレの家!」
「冬可」
流星が真面目な顔で振り向いた。
「俺達ももう若くはない。
そろそろ考えるべきだと思うんだ」
こんなのは、あの時みたいだ。
『俺、書くより本作るのが好きだ。お前は書け。それしか能がないから。』
そう言って
物語を作るのを止めた、あの日
「流星、お前また」
「……トーカ、
とろろ昆布に柚子胡椒と梅干しで吸い物が出来るぞ」
「要するに、冷酒が年食って辛いので温まりたいから作れってことだな」
「そうとも言うな」
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