その少女、有頂天。

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カジヤン君は意外なことに、慣れた手つきでサクサクとケータイをいじった。 両手で扱うもんだから、私唖然。 彼、右利きなのかしら。左利きなのかしら。両利きなのかしら。 「ん。サンキュ」 その言葉とともにスマホが返ってきたとき、1分も経過していなかった。 「じゃ、暇なとき連絡してちょ。」 「…、」 「…ケータイ持ちながらにやけないほうがいいよ。危ないサイト見てると思われるから」 「思うのお前ぐらいだ!」 運悪くメロンパンをほおばった直後のことだったので、返答できなかったが私だけじゃないと思う。 少なくとも斉藤は同じ思考回路をしてるはずだ。 LINEを交換した後は、授業に戻った時の様子などを互いに話した。 そして平和に解散したのだ。 そして、解散してから気づく。 …私、いまだにカジヤン君のフルネーム知らない。
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