22人が本棚に入れています
本棚に追加
私の子供の時から貫いてる意志的に、気になったことはすぐ聞くっていうのがある。
だから聞くことに対して恥ずかしさがあるとかは全くないけれど、…失礼じゃないだろうか。
あ、でも。カジヤン君相手なんだから平気か。
でもそれだと、なんかいやだ。
LINEを交換したから距離が縮まったとでも思ってるんだろうか、私は。
…なんか、いやだな。
思考が恋する乙女みたいじゃないか。
逆を返せば、名前さえ知ればあとはポイッと捨てられるってことだ。
名前、訊こう。
LINEでいいか。
うん、LINEでいいよ。
よし。
有言実行。
別に誰かに言ったわけじゃないけど、思ったらすぐ行動。
「宮路が…ケータイいじってやがる」
「あれ、まだいたんだ」
「お前が引き留めたのに、ひどい奴だな」
「引き止めたっけぇ?」
「あっそ」
斉藤はそう言って、どこかへ行ってしまった。
特別な用事があったわけでもないので構わないんだけど。
斉藤とおさらばした私は、自分の席に座ってケータイをいじる。
カジヤン君に〔フルネーム、漢字で教えて☆〕といえばおかしくないだろう。
…やっぱり、私って天才かもしれない。
それはさておき。
カジヤン君、普通に休み時間は友達と話してるだろうな…。
返事、遅いだろうな。
気長に待とう、と思った直後、既読がついた。
カジヤン君、友達いないんだろうか…と、からかってやりたい。
尤も私が言うと、半分ほど自虐ネタっぽいのでやめようとすぐに思ったが。
ブー、とケータイが振動して画面に新たな文字が増える。
〔梶ヶ谷!!!〕と一言。
「…、」
カジヤン君、フルネームって言葉知らないんだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!