第二話 蛙侍とトキシラズ

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あすみは、ドアをノックし、書斎の中に入る。 「天、訓練が終わったから、 たまに昼ごはんでも一緒に食べにでない?」 机に背を向けて座り、 小説を読んでいた青年がくるりと向き直った。 「あすみか、そう言えば昨日の朝から何も食べてないな、 何を食べにいくんだ?」 寺の住職なのに髪を伸ばし、 ハットとベストを着用した人物がこの北道寺の住職、 北道 天である。 読んでいた小説は、有名なハードボイルド小説。 天は寺の住職なのに探偵に憧れていた。
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