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この時代でも、こういう輩はいるんだな・・・・
『貴様らか。この里を滅ぼしたのは。』
和泉は、男達の前に姿を現した。
「何者だ!?いつからそこにいた!?」
人間の男達が慌てだした。
「おい!?どういう事だ!人払いは済んでいるはずではなかったのか!?秋彦!?」
人間の男が男鬼に問いかけた。
『へぇ、お前秋彦っていうのか。で、なぜ自分の一族を裏切った?』
「き、決まっているだろう!落若水の研究に携わるためだ!と言っても貴様は知らんだろうがな。それより貴様何者だ?人間ではないだろう?九尾の狐・・・銀狐!?まさか!?なぜそんな大妖怪がここにいる!?」
なるほど。そんなことのためにこの里は犠牲になったというのか
・・・・・笑わせる。
『くだらんな。お前が抱いている子供は当主の娘だな?』
「あ、あぁ、それがどうした?」
『約束したんでな、返してもらおう!』
和泉はそういうと、腰にさしていた妖刀村雨を抜いた。
戦争で、一番よく使っていた道具で、和泉のお気に入りだ。
[よう!和泉俺の出番かい?あの鬼も斬るのか?]
《あぁ、最低なやつだからな。》
[やったぜ!鬼の血は旨いからな!]
「お前ら、気づかれたんだ!やってしまえ!」
人間たちが一斉に和泉に襲いかかってきた。
和泉は木を利用して、人間たちに空から斬りかかった。
一人ずつ確実に仕留めていく。
また一人と減っていき、人間たちは戦意を失っていく。
「こいつ何者だ!?強過ぎる!?」
グサッ
「ヒィィィィィ」
『残りは、お前と秋彦、二人だけだ。さぁ、子供を渡せ。』
すると、秋彦は勝ち目がないと悟ったのか、人間の男を和泉に突き飛ばすようにけると、森の中に駆け込んでいった。
『っ待て!!』
和泉は素早く人間の男を斬って追いかけたが、見失ってしまった。
その後、もう一人の子供も探すために里の周りを和泉は駆けずり回ったが、とうとう子供が見つかることはなかった。
和泉は一旦里に戻ることにした。
『火事が思ったより酷くなってるな・・・』
火事は里を飲み込み周辺の木々にも移り始めている。
和泉は精霊を呼び出した。
これは、和泉特有の力で精霊と心を通わすことが昔から出来ていて、和泉の妖力が精霊達の好みの味らしく喜んで、力を貸してくれるのだ。
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