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・・・なんか背中が熱い。 精霊達が和泉の体に触れて来た。 すると、背中に円を描くように、桜・桔梗・曼珠沙華・梅・椿など色々な花が浮き上がった。そして、円の真ん中に青・赤・黄・白・黒の色をした龍が刻まれた。 精霊達に何をしたのか聞いても答えてもらえず、嬉しそうに和泉の周りを飛び回るだけだった。 ・・・これ、未来でも同じやりとりした覚えがある。結局、何にも教えてもらえなかったんだよね。 知り合いに背中を見せたら、驚かれたっけ・・・ それにしても、前から妖力は多い方だったけど、前よりも多くなってる気がする・・・ 神様の仕業かな・・・ 和泉は汚れを落とせたので、温泉から上がり、創造で簡単に家を作ると中に入り、眠ってしまった。 和泉が目を覚ますと、当主の子供を探しに出ていた精霊達が情報を持って帰ってきていた。 『んー、なるほどねぇ。』 どうやら、双子は別々になってしまっているらしい。 昨日、秋彦が連れ去った子供は葵の方で、女の子らしい。どうやら、こちらは記憶をなくしてしまいそれが幸いして秋彦は父親として偽り育てることに決めたらしい。 一方の梓は男の子で、鬼の一族の玖珂家に引き取られたらしい。どうやら、昨日ほかの一族の来ていたらしかった。気がつかなかったな。こちらは、結界がはってあり、現在の梓の様子を知ることは出来なかったらしい。 『梓の現在の様子を調べてくれるかい?鬼の一族に引き取られたのなら心配だ。』 どの時代でも、女鬼は貴重だ。血筋の良い鬼どうしが結ばれればより強い鬼が生まれる。 鬼柳家は純血の鬼の一族、そして東国で一番大きい。 だが、梓は男鬼だ。子は産めない。玖珂家は梓を男鬼と知って引き取ったのかそれが気になる。 和泉は、精霊達に頼んだ。結界をすり抜けられるように妖力もたっぷり渡した。 何日か、和泉は精霊達に情報収集を頼み、大体の今の情勢をつかんだ。 そして、山を降り和泉は日本中を旅し始めた。
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