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三ヶ月後ー 和泉はとある鬼の一族の元を訪ねていた。 『私の名は、九尾の狐の和泉。ここに、梓がいるでしょう。私は梓の母親の頼みでやってきた。梓に会わせて欲しいのです。』 「九尾の狐!?なぜ、そんな方がここに?」 『で、どうなんです?』 「はて、梓という子はここにはおりませんなぁ。そちらの勘違いでは?」 和泉は土佐の玖珂家に来ていた。 あれから、梓の現状を精霊達から聞き、やって来たのだ。 『あくまで、シラを切るのだな。もういい。』 和泉と話していた玖珂家の男は慌てて、和泉を引き止めだした。そして、和泉の歩いていく方向を見ると、青ざめだした。 「い、和泉様!お待ち下さい!」 玖珂家の者がたくさん出てきて和泉を止めようとしたが、動けなかった。 和泉が妖気を放ったのだ。 『お前達が梓にしていることは知っている。・・・恥を知れ!』 和泉は、屋敷から隔離されているようにひっそうとたっている蔵に着くと、鍵を掛けてあったのでそれを壊しなかに踏み込んだ。 蔵の中は薄汚く、人が住める状態ではなかった。 「・・・誰?」 見つけた。 葵と別れた後、土佐の玖珂家に連れてこられた。 どうやら、僕を女鬼と勘違いしたらしい。 毎日殴られて泥飯を食わされた。望まれるままに女の格好をした。 ある日、いつものように朝を迎えるとなにやら屋敷の様子が騒がしかった。 しかも、だんだんこっちに近づいてる気がする。 『ーーーーーー!!ーーー恥を知れ!』 蔵が開けられ、一人の男の人が入ってきた。 綺麗な着流しを着ていて、長い黒髪を高い位置で、結っていた。 ・・・・・綺麗な人。 「・・・誰?」 『私は、九尾の狐の和泉。君を迎えに来たんだ。』 和泉さんは僕に近づくと微笑んだ。 「どうして?」 『君の母君に頼まれててね。さぁ、おいで。それとも、ここにずっといたい?』 母上の知り合いだろうか。この人なら信じてもいい気がする。 僕は和泉さんの差し出された手を握った。
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