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梓は、予想以上にひどい仕打ちを受けていた。 満足に食べさしてもらえていないのだろう、抱き上げると痩せ過ぎていた。 『梓は私が貰っていく!こんなところに居させるわけにはいかないからな。』 「で、ですが!!」 『貴様らは、女鬼がほしかったのであろう?梓は男鬼だ。問題ない。』 和泉は、玖珂家を去ろうとしたが、立ち止まった。 『あ、そうそう。梓をまた取り戻そうとしたら容赦はしないからな。』 和泉は玖珂家にたっぷりと殺気を放ち出ていった。 玖珂家から、少し離れたところで和泉は立ち止まると、蛇の妖怪が待機していた。 この妖怪は、死にかけているところを和泉が助け、それからは和泉を乗せて空を飛んでくれるのだ。 『七歩蛇、私の家までお願いできる?』 「お安い御用です。」 梓は安心したのか、気を失っている。 七歩蛇は和泉と梓を乗せて、飛び上がった。 「和泉様、その鬼子は例の?」 『あぁ、鬼柳家の子だ。』 「随分、痛めつけられていますね。」 『まずは、療養だな。』 和泉は、家に着くとまず梓を温泉に入れた。そして、石鹸で梓の体を綺麗にし梓の体にあった男物の着物を着せると布団をしいた。 精霊達が気を利かせて、山の幸を持ってきてくれたのでそれで雑炊を作り始めた。 日が暮れ夜になった頃、梓が目を覚ました。 『気分はどうだ?』 「ここは・・・?」 『私の家だ。ほら、雑炊とお茶だ。ゆっくり食べるといい。』 梓は和泉の看病のお陰で大分回復したのだった。 梓が元気になった頃、和泉は梓を連れて、鬼柳の里を訪れた。 『私は、あの日の夜に梓の母君に出会った。母君は死にそうになりなっていながらも梓と葵ちゃんの心配をして、見ず知らずの私に頼むとお願いして亡くなっていったよ。』 「・・・このお墓は和泉さんが?」 『あぁ。』 「・・・ありがとうございます。」 和泉は涙を流す梓から少し距離をとって見守った。梓には時間が必要に思えたからだ。 半刻ほどたった時、和泉は花束を創り出すと梓に差し出した。 「前から思ってたんですけど、どこから出してくるんですか?」 『そうだね、梓には話そうか。』
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