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サラサラと、明るい色の髪をなびかせて、わたしの手を引いて走る、上背のある彼の名前は、
佐久間蓮
わたし、本郷かなこ《ホンゴウ カナコ》の、三ヶ月年上の、幼なじみ。
彼の存在が、この過酷な命懸けのサバイバル・ゲームで、さほど運動神経が良くない子柄なわたしが、未だに生き残っている理由だった。
――たぶん、
ううん、ぜったいに。
蓮がいなかったら、わたしは今、ここに、こうして生きてはいない。
そう。
蓮は、わたしの、命の恩人だ。
それは、このサバイバル・ゲームが始まるずっと前から変わらない。
わたしは、五歳のとき、
この政府が運営する、全寮制の四つ葉学園に引き取られる以前に、
既に一度、蓮に命を救われていた――。
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