第1章

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寂しさ怖さという感じは無かったんです。  とはいっても表通りは大きく車通りも多く 場所柄、深夜でも人通りもあります。 バスが通る大きな通りになっているのです。  私は深夜であがって、自転車で自宅まで帰るのですが 霊園を通るわけではないので、大通りをさっさと出ます。  ただ、その日に限って奇妙な気がしたんです。 在るものが無いという感じではなく、何か多いような気がしたんです。 いつもより通行する人がいない。  車は普通に  あれ?  って思ったんです。  深夜1時を過ぎて、バスが反対側の車線に停まってるんです。 確かにバス停のある場所なのですが、車庫でも何でもない道です。 車内の電気も消えてるんで、運転手の方も見えません。  普段は見かけない時間に、いつも居て当然の場所にバスがいる。 怖いとか不気味とか、そういう気持ちは無くって。 単に気になって、事故とかでも無さそうだし何だろうって思って 向こう側に信号を渡って、自転車で行ったんです。  ドアは閉まってるし、車内の電気は消えてるし。 バス停には誰もいないんです。 ただ、エンジンがかかったままなんです。 それが変な感じだったんです。  いまさっき渡った信号が赤に変わった途端。 急にバスが動き始めまして、行ってしまうんですよ。 バスの車内は電気が点いてて、満員なんです。  乗客全員がこっち向いて、私を視てました。  そのままバスは見えなくなるまで走って行ってしまい 私はポツンとバス停に残された感じに (構成作家さんが何か指示してる。)  あれ?  え?  苦情の電話?  え? (放送事故。)  プツン。ザー。
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