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「納豆のメーカーどこ?」
注意を促すはずが気が動転した俺は意味のないインタビューをしていた。
「決まってるよ!ひょっとこ納豆だにょ!」
にょ?
俺は耳を疑う。いい年してにょってなんなんだ。ここまでバカにされたのは洗顔料を歯磨き粉と間違えた時以来だぞ。
「ふぅ…」
(今朝のハプニングをおもいだしてしまった)
俺は顔を歪めながら頭をかく。
「どうしたっすか。腕に宿る魔物が暴れ出したんスカ。とりま注意報出しときましたっす」
バコーンっ!
すかさず靴を脱いで叩いた俺はどんな優秀なお笑い芸人よりも優れているとこの時強く思った。
遠くからチャイムの音がなる。
「幸ぃ?なにしてんの。亀島また余計な事いったんかよ」
黒縁メガネのそいつは状況を判断したあと学校へと全速力で走り始めた。
「幸成っち!大変すよっマジわらえないっす」
「はぁ?何が」
「お前ら早く!!遅刻すんぞ!!」
俺の顔から血の気が引くのを感じた。高校生活二年目。無遅刻無欠席の俺が人生初の失態を犯す…だと?
誰よりも早く駆け抜けた。
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