休息

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「週末までとなると、大体あと二日くらいか?となるとギリギリ七月に入る位か」 「そうだね、今日が二十九日だから週末となると丁度七月一日かな」 時間が経つのは早いもので、俺がこのゲームにログインしてからもう一ヶ月が経過しようとしている。 この短い間にまさか最強のギルドのマスターに頼りにされるようになっているなどとは当時はまさか予想だにしていなかったが、運命の悪戯とでも言うべきか。 「一日に偵察戦に入るとして、普通一日準備期間に置くから本番は三日の日曜日になるかなぁ……まあ、準備と言ってもたかが知れてるし、私達はいつでも出れるけどね」 「二人分のアイテムとかを買い込むだけだしなぁ……そういえば今回はパーティーはどうするんだ?ルナももう楽園のメンバーじゃないし、まさか二人パーティーでレイドの一つを埋めちゃう訳にもいかないだろ?」 前回は俺はアルマダ達無敵の盾に、ルナは楽園のパーティーに入ってボス戦に臨んだが今回はそれとはまた事情が異なる。 ルナは既に楽園の一員ではないし、俺も今回ばかりは報酬の関係で無敵の盾に入れてもらうわけにもいかない。 ルナもそれに気付いたのか、眉尻を下げ困り顔を作り唸り始めた。 「あ~……そっか、ただでさえ少なくなりそうなアルマダさん達の取り分を取っちゃう訳にもいかないしね……どこか空きパーティーでもあればいいけど……」 「可能性は低いよな………」 いっそ「報酬は全部提出するから入れてくれ」と主催ギルドに頼み込むべきだろうか。 だがそれは俺達が大きな赤字を抱えることになってしまうので極力避けたい。 「それも攻略会議で打診するしかないかな……」 「そうだな……」 俺達はキースに頼まれて参加することになった言わばゲスト。 理想としてはホストであるキースが俺達の分の席を確保しておいてくれたら最高なのだが、前述した理由でそれは難しかろう。 キースが置いていったスクロールにはマップの他に攻略会議の日取りも記載されていたし、その会議でどうにか俺達の枠を確保するしかなさそうだ。 「キースが仕切ってくれたら良かったんだけどね」 「仕方ないさ、そういう決まりなんだろ?」 ルナ曰くボス戦を仕切るのは最初にボス部屋を発見したパーティーが属するギルドとのこと。 今のところボス戦に関する全権はそのギルドにあるし、俺達はそれに従わなくてはならない立場なのだ。
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