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そんなロマンの欠片もないことを考えながら隣を見やると、そこには相変わらず嬉しそうにネックレスを見つめるルナがいた。
「随分嬉しそうね?」
「うん!ペアルックなんて今までしたこともなかったから……ライト君とコンビっていうのが形に残せて嬉しいんだ」
「そう、なら尚更作った甲斐があったわ」
何やらマリアさんと小声でやり取りをすると、ルナは一度こちらを見て頬をほんのりと朱に染める。
そんなルナを母性ー男だがー溢れる優しい表情で見つめると、マリアさんは俺達に向き直る。
「そのネックレスには特に特殊効果みたいなものは付いてないけど、大切にしてくれたら嬉しいわ」
「勿論、大切にしますよ」
俺からその言葉を聞き届けると、マリアさんはメニューウインドウを開きログアウトボタンをクリックする。
「じゃあ、私達も落ちよっか?」
「ん、そうだな」
マリアさんがログアウトして行くのを見送ると、ルナがメニューウインドウを開きながらそう提案して来たので頷き、俺もウインドウを呼び出す。
「じゃあ、おやすみ、ライト君」
「おやすみ、また明日な」
ウインドウを呼び出し、メニュー最下端に存在するログアウトボタンを押しながら二人そう声をかけ合い、俺の視界は暗転した。
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