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「うわぁあああ……」
びっくりした……。
話には聞いたことあるけど、男同士がしてるとこなんて、初めて見た。
ここは男子校。それどころか男しかいない島だ。しょうがないのかな…。そう思いながら、心を落ち着かせようと努力する。
うん、しょうがない、男だもの、しょうがないんだ。
何度も自分に言い聞かせていると、少し心臓の鼓動が収まってきた。
ようやく、部屋を見渡す。清潔そうな部屋だった。ベッドと勉強机が置いてある他は何もないけど、他にも好きな物をおけそうなスペースはまだまだある。
先に送っておいたスーツケースが置いてあったので、中から衣類を出したり、整理整頓を始めた。
クローゼットに洋服をしまっている時、突然、部屋の扉がガチャリと開いた。
「ねぇ」
びくりとしてそちらを向くと、背の高いイケメンが、上裸で立っていた。
白に近い金髪に染まった髪に、整った顔つき。引き締まった身体。
さっきの部屋で、男を襲っていた人だ。
「あんたが、俺の同室?」
ぼそりと呟くその声は、男の俺でも惚れ惚れするようなイケボだった。低くて、少し掠れてて、色気たっぷりのこの声。
あれ……何処かで聞いたことある…?
「う、うん、よろしくね!」
慌てて返すと、彼は俺をじろじろと眺め始めた。彼と比べたら全くもってちんちくりんな俺が浮き彫りになるようで、俺は途端に恥ずかしくなった。
「ふーん……」
扉に寄りかかりながら、彼は呟く。
やっぱり、何処かで聞いたことある声だ。
そして、俺はようやくピンと来た。
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