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「俺らの行いによって、生徒会の奴らがつけるポイントのこと。良いことしたり、何かしらですごい成績を残したりすると、生徒会がそれに見あったポイントをつける。逆に悪い行いをしたりすると、ポイントを引かれる」
「へ…ぇ……」
「悠希はこの学校来たばかりだし、多分同室の奴がすげーポイントたくさん持ってんだろーな。つまり良い奴ってことじゃん?良かったな!」
そう言われて、同室の柊瑞樹を思い出す。
あれが、良い奴………
「あれ、でも、同室の子、入学したての1年生だったよ?ポイントなんてついてるのかな??」
ここに来たのが、俺と同じ今日ならば、柊君だってポイントはまだ着いていないはずだ。
「なんて奴?」
「柊瑞樹。……あの、声優の」
俺がそう言うと、優斗は目を見開いて、その後、あからさまに嫌そうな顔をした。
「柊だと……」
「も、もともと凄い有名だったから、最初からポイントついたのかな!ね、あり得るよね!」
優斗の敵意剥き出しの呟きに焦って、俺は慌てて言う。
そんなに、柊君が嫌いなんだろうか。
「あぁ……あり得るな……」
そう返事した優斗は、しかし何処か心ここに在らずといった感じで、眉間にシワを寄せながらカレーうどんをすすった。
「……………」
「…………………」
「あ、あのさ!」
沈黙にいたたまれなくなり、俺は口を開く。
「その生徒会って、すげー権力あんね。そんな凄い人達なの?」
せっかく話をそらしたはずなのに、優斗の眉間のシワは何故かさらに深くなった。
金髪にピアスという出で立ちでそんな顔をするもんだから、かなり凄みがある。
あれれ……。
「あぁ……あの、理事長の犬な………」
「え、なに??」
優斗の呟きが聞き取れなくて、俺は聞き返す。
その途端、キャアアア!という、男子校ではあり得ないような黄色い奇声が食堂を包み、俺はビクリと飛び上がった。
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