部屋

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授業が全て終わり、俺はくたくたになりながら部屋に帰ってきた。 帰りにどっか寄ってかないかと優斗に誘われたけど、保健室の一件で疲れ切っていた俺は、ごめんと断ってまっすぐ寮へ向かった。 自分の部屋に鞄を置くと、昨日あまりじっくりと見なかったリビングに行く。 リビングにはテーブルとソファ、そして大きなテレビが備え付けられていて、居心地の良さそうな空間が出来上がっていた。 テーブルの上に置いてあったリモコンでテレビをつけて、俺はテーブルに座る。 「あ、そうだ」 思い立って、俺は制服のポケットをさぐり絆創膏を取り出した。交換するために、余分に保健室からもらって来たのだ。 早速取り替えようと思い包装を破こうとした時、背後のキッチンで冷蔵庫の扉が開く音がして、俺は振り返った。 「……あ」 そこには、風呂上がりなのか部屋着の下だけを着て、首にタオルをかけた柊君が立っていた。 て、また上裸かよ!上裸好きだな!! 「柊君、居たんだね」 「何してんの?センパイ」 柊君は、手に持った2リットルペットボトルを、口を付けないように上手く飲みながら聞いてきた。 「昨日あんまちゃんと見なかったから、リビングとかどうなってるのかなぁーって思って」 「それは?」 柊君は、俺の持っている絆創膏に視線を向ける。 「これね。ちょっと怪我しちゃってさ。俺、ドジなんだよね……はは」 「ふぅん……」 柊君はそう呟いて、何か考え込むようなそぶりをした。 それから突然、 良いこと思いついた というように、にやっと笑った。 何か良くないことを企んでる気がする…! 俺の、嫌な予感センサーが反応する。 柊君が、俺の向かいの椅子に座って言った。 「センパイ、それ、付けてあげようか?」 柊君が指差すのは、俺の持ってる絆創膏。 「え、いいよ!」 「片手で付けるの、難しくない?俺が付けてあげるよ」 確かに、怪我をしている右手は使えないから、左手だけでつけるのは少し難しい。 柊君が手を差し出すから、俺は観念しておとなしく絆創膏を渡した。
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