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「おい、悠希」
隼人がイラついた声を出す。
怒っているんだ。いままで、大事な決断をする時、隼人に相談せずに決めたことなんてなかったから。
だけどそれじゃ、俺は変われない。
「隼人、俺………」
変わりたいんだ、そう言おうとした俺を、隼人がさえぎる。
「それ、なんて学校だ」
隼人の声が震えていた。どうしたんだ、いつも飄々としてて、なんでもできて、余裕のある隼人が。
焦ってるなんて。
「もしかして………暁学園、とかいう名前じゃないだろうな」
俺は、言葉に詰まった。どうして分かったんだろう。
立ち尽くした隼人が、青ざめていた。俺が何も言わないのを見て、
隼人は突然学校の方に走りだした。
「おい、隼人?!」
隼人は俺の呼びかけに足を緩めることなく、校門を通り、校舎へ戻って行った。
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