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☆ 莉緒 ☆ (元・主人公←)
「莉緒、ごめん。やっぱ俺、莉緒のこと莉緒って呼ぶの止すよ」
「え……いきなりどうしたの? 尚吾くん」
「『りお』は、やっぱり『梨央』しかいないなって思って。だから……莉緒ちゃんも、無理して名前で呼ぼうとしなくていいよ」
「りおはりおしか? え、何言ってるの!?」
「ごめんね莉緒ちゃん。じゃ、梨央が待ってるから俺行くわ」
「ちょ……っ! しょう――タケッ!」
尚吾くん、より、やっぱりまだ『タケ』って呼ぶ方がしっくり来た。
でも、せっかく縮んだ距離が急速に遠ざかっていくようで哀しい。
『莉緒ちゃん』は他人行儀でいやだって、自分で言ったクセに。
なんで急にこんなこと言われたんだか、全然分からない。
私じゃない『りお』って、一体誰なのよ……。
小さくなっていくタケの背中を、追うことも出来ない。
もう、彼の原付は私の自転車押してくれないってことなのかな。
そう思うと、すごく淋しかった。
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