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今までずっと、いつも『新田さん』だったのに。
「梨央」
なんで、いきなり……
「そんなに怖い? 俺のこと」
冷たい目で、口元だけ歪めて笑って。
冷たい壁に、押さえつけられた。
探してたって聞いたから、休憩時間に、こっちから探して。
青果の社員さんに、ここだって教えられた保冷庫の中。
初めて立ち入ったその場所は人気もなくて、声をかけながら奥に進むと、ユウくんは確かにそこにいた。
背を向けてしゃがみこんで……具合、悪いのかなって思って呼んだら
振り返った顔が、いつもより怖かったんだもの。
びくりと飛び跳ねるように反応してしまった。
それが、いけなかったのか……。
ふらりと立ち上がって寄ってきた彼に、後退りながら、すぐに手首を捉えられた。
長身の彼が、覆い被さるように顔を寄せて来て。
……ち、近いっ!
慌てて顔を背けたら、
「梨央」
からの、そのセリフだ。
怖いよ……
いつもとは、違う意味で。
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