第1章

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 と、ステファンスに訊いた。 彼は、軽々と言った。 「飛ぶよ。墜落より難しいってだけだ。」  空か。  そう思って空を見上げた。 黒い鳥のようなモノが飛んでる。 コウモリのような気がした。 昼も夜も全て、ガラクタが飛ぶようなモノだ。  飛ぶのかねえコイツは。 ステファンスは高所恐怖症なので、屋根の修理も出来ない。 嫌な予感がする。  振り払って私は、ヴァイオリンを弾き始めた。 今夜の為に。  コウモリは食堂の方へ飛んでいって見えなくなった。 悪くも無い予感も何故かする。  今夜の為に。
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