第1章

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ジリリ。 ジリリリリ―――。 カーテンの隙間から暖かな日差しが射し込んでいる。 けたたましく鳴り続ける目覚まし時計へとおもむろに手を伸ばす。 耳障りな音を止めて、時間を確認した。 6:33 後、一時間はごろごろできるーーー。 ぼぉっとした意識で判断する。 朝飯より何より、二度寝直前の微睡みこそが幸せ。このために俺は生まれてきたんだ。 少しでも、幸せを掴もうと太陽から逃れるようにもぞもぞと布団に潜り込む。 「…俺はミノムシ。嗚呼、早く人間になりたい…」 「寝言は寝て言ってね」 声が掛かると同時に体を衝撃が突き抜ける。 布団を一瞬で剥ぎ取られた勢いでベッドから転がり落ちた。 「ぐぇ、、」 「ほら。ちゃっちゃと起きる」 目に刺さるような日差しを避けるように、視線を動かした。 ある一点に視線が固定される。 「……………白」 ベッドの側で仁王立ちしながら、こちらを覗きこんでいた少女が意味に気づくと同時、レバーに拳が突き刺さった。 痛みによって、朧気だった意識が目覚めて、瞬く間に闇に沈んでいく。 ああ、今だけは安らかに。 「…おやすみなさい」
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