自由と鎖

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 旅に出てしばらく経ち、それなりに仕事をこなせるようになったと思っていた。  でも、世の中はそんなに甘くはない。  だからこそ、全てが修練なのだと、相棒は言ってくれた。  色々な所をふらふらと旅をしてきたが、国の首都というのはなぜか気が引けて来たことはなかった。  此所を見ると,確かに世界が変わる。  でも、即座にここは自分の居場所ではないと感じる。  ここにいると見えない鎖に絡み取られる。  そんな気がする。  だから、僕は風を求める。  ここも通過点だ。  僕はどこまでもどこまでも赴くまま歩いて行く。  独りが二人になった。  風と戯れる幅が増えた。  これからもっともっと戯れる機会が増えるだろう。  風はいつだって自由だ。  僕らはどこまでも自由に飛んでいける……
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