3人が本棚に入れています
本棚に追加
見上げると、山の柱のように高い樹が風に揺れていた。
宿へ戻ってから荷物を整理して、直ぐに東京へ戻った。
雑誌社の暗室で、写真を現像すると磐屋の中に、
あの老主人が笑顔で座っているのが写っていた。
カラカラという柔らかい陽気な声が聴こえる様に。
現像が終って、写真を持ってデスクに行くと
やっぱり、写真から老人は消えていた。
<そして茶を一服してから、締め括って頂いた。>
これでこの話は、お終いだよ。
それっきり記事にするのも、やめちゃったし。
写真は今も持ってるけど、ほら。
視ない方がいいから。
最初のコメントを投稿しよう!