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「アタシね、どんな気持ちでも殺すことができるのよ」
「よ、よくわかんないけど、気持ちって、ほら、きっと、じ、時間が解決してくれるんじゃないのかな」
「あんた、本気で時間が何かを解決するなんて思ってるの?」
「え?」
「で、わざわざアタシを呼び止めたのは、一緒に今日のダイジェストを語り合うため?」
「ち、違うよ。真白葉さん。す、少し話があって」
「まぁいいわ。今日はあんた、
余計なお世話だったけど一応アタシのこと
守ろうとしてくれたんでしょ。
いいわ、愛の告白以外だったら五分だけ時間をとってあげる。何?」
「あ、あの……」
「あと四分五五秒」
「も、もし愛の告白だったら……」
いちじくため息をついて去ってゆく。
夕木、追いかけて。
「ほ、本気なんだ。ずっと後ろの席から見てた」
「変態」
「い、いや、いやらしい気持ちとかじゃなくて、あの……。
きょ、今日やっと話すきっかけができたと思って……」
「アタシ、あんたの名前すら知らないんだけど」
「い、一応クラスメートです」
「後ろの席ね。それはさっき聞いた」
「ほ、幌芝、夕木です」
「あのね、自己紹介してって言ったわけじゃないの。
名前も知らないくらいあんたには興味がないってこと」
「そんな……」
「話はおしまい。寄るとこあるから付いて来ないでよ」
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