九十九神~つくもがみ~

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カラオケ「パンプキン・ヘッド」は年期が入ったカラオケルーム。 その4号室そのものに有る時から自我が芽生えた。 濃い想いが生んだ幼い神「4号室」は人間の感情に近い神として目覚め、それ以来ずっと利用客を観察してきた。 九十九神も一人前になるには長い時がいる。神はまだ善悪の無い段階。 さて…経営者は店の名前ピッタリの考え無しで、部屋の作り等に死角を作ってしまい、スタッフの目の届きにくい4号室が生まれ、そこにはタチの悪い客や、カップルが良く入ってしまう結果になったのも又、あらゆる想いが溜まる原因になった。 4号室には馴染みの客がいて、スタッフからは「4号室の姫」と呼ばれていた。 月に5~6回、昼の約2時間、1人で来店しては延長も注文も無く立ち去る、身綺麗な女。 年は20代くらいで、持ち込み可能な為に受け付けをすると彼女は持参した飲み物等を飲みながら 部屋に籠る。
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