九十九神~つくもがみ~

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入室時より幾分スッキリした顔の姫… 受け付けに返すべき物と自分のバックを持ち、部屋を立ち去る姫が振り返り、虚空に向かって呟いた。 「一緒に歌ってくれてありがとう…元気になったよ」そう言って笑ってくれた。 神が泣けるなら…涙を流しただろう… けれど幼いとは言え、神として生まれた4号室は 涙を流せなかった。 なので神はそれからの客に対して有りとあらゆる感情を爆発させた。 ハウリングやらノイズが酷くて、4号室利用の客は軒並みクレームをつけ、結局部屋は一時封鎖され、後日業者を呼ぶ事になった。 静かな部屋…誰も来なかったけれど、神は満たされていた。 このまま消えてしまっても構わないとさえ思う。 翌日も4号室は封鎖されたまま…だったのだが…
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