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弁当にしようと思った途端!
チビ猫のペアが飛び出してきた。
やけにバランスが悪いと思った。
おまけに俺の弁当まで食ってやがって。
泊り込むつもりだった、サイドパックから
携帯用食料を出して、食べた。
それにも食いつこうとしやがる。
痩せっぽちでチビのクセに食い意地だけは一人前。
仕方なく分けてやったが、貰う時まで偉そうだ。
夕方前まで湖を見ていた。ペアは木陰で寝ていた。
今日は帰ろう、また来ればいいんだ。
必ず、あの山には登ってみせるけれど。
戻らなくちゃ。婆ちゃんが階段で待ってるから。
戻る支度をしていたら、荷台にペアが飛び乗った。
まさか、シンって呼んだのはオマエなわけないよな?
野良猫は飼い猫を語らない。
飼い猫はノラ猫と話さない。
そもそも猫は喋らん。
でも普遍じゃない。ただの自然だ。
英語で「pea」つまり、エンドウ豆の事だが、
曲がったという意味だ。ひねくれ猫。
でも「奇麗な姿」という意味もある。
俺はこいつの尻尾は嫌いじゃない。
結局、俺が今日やったことは野宿の用意して
日帰りで散歩してきただけだ。
こんなことすら、階段の街ではアウトドア。
消えそうな星明りの気晴らし。でも次は。
ポンポン。
荷台で変な曲げ方のパンチで背中を押す。
エリート気取りで、偉そうだし生意気だ。
夕焼けを眺めながら下り坂を滑って行く。
ペアは荷台で平気で寝ている。
よくまぁ、落ちないもんだ。
いい気なもんさ。
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