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泡の中は、涼しくて暖かくて白く虹色で
フワフワだけど捕まえられなくて。
しょうがないから、触れるものなら何でも洗う。
仲間たちも洗いっこする。床も壁も洗う。
手すりだって、飼育員さんの出入りするドアも洗う。
とにかく洗う。何でも洗う。みんなで洗う。
ボクらはアライグマだから。
これは芸術、心も体も暑さの汗もサッパリ爽快。
しあわせ。
飼育員さんが慌てて飛び込んできた。
シャワーでアワアワをみんな流しちゃった。
お池の水も奇麗な水に入れ替えてくれた。
ボクらもピカピカになって、お家も全部ツルツルで
柵の所までスベスベになったんだけど
ボクに白い四角い奇麗なのを投げてくれた人たちは
子供たちで、飼育員さんに物凄く怒られてた。
こんなにピカピカになったのに。かなしい。
でも気がついたら、白い四角いいい匂いの奇麗なモノは
手の中からいつのまにか、全部、無くなっちゃった。
一生懸命、頑張って洗ったんだけど消えちゃった。
リンゴやお芋みたいに丸くツルツルでピカピカに出来なかった。
やっぱりセッケンは奇麗に出来なかったみたい。かなしい。
お空を見た。
フワフワとシャボン玉が沢山飛んでいた。
丸くて虹色で奇麗だった。
ボクはみんな好きだ。
嫌いなモノは洗っちゃえば、好きだ。
しあわせ。
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