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やあ、話を始める前に話しておきたい事が1つだけある。
残念ながら、またなんだ。そう今日も猫の話である。
何の事だかサッパリドッキリ解せぬ。という方々は、
そのまま何も気に止めずに。夏目漱石先生とも関係はニャい。
俺は4歳になる♂猫であり、美しいブラックの毛並みが
ハードボイルドに相応しいイケメンだ。
ちなみに手足の3割程だけ純白であるのだが
これも俺の清廉潔白な心が滲み出ている。
どういうことか?つまり俺の仕事は探偵なのである。
この潔癖な手足は、守秘義務と捜査への本気の証だ。
ちなみに毎晩、酒呑んでデスクで寝てる無骨なオッサンが
(自称:飼い主)俺の探偵助手だ。極めて無能である。
従って『猫専門の行方不明探し』しか仕事が無い。
だから、近所の猫達は俺をこう呼ぶ。
オペラティヴ・オブ・ネコ
(報酬、手付けは煮干。成功報酬はアジのひらき。)
ネコだけ英語ではない事に突っ込む間抜けが偶にいるが
世の中には人語だけが言語の全てでは無い事を学ぶべきニャ。
失敬。少々興奮するとネコ語がまざる。
また俺だけに限らないが、猫の毛並みを逆撫でする事は
やめておいた方がいい。きっと諸君に災いがあるかもしれぬ。
無茶苦茶引っ掻いてやるかも知れない。あくまで「かも」だ。
そんなわけで、この探偵事務所のボスである俺様を
助手のオッサンを含めて、誰もが【オプ】と愛称で呼ぶ。
なに、君も気兼ねする事無く、そのように呼んでくれ。
だが守秘義務に関わるような質問や、フラッシュを使った撮影。
また手の平に墨十をつけた手形のサイン等は遠慮してくれ。
助手が猫探しの仕事しか持ってこない事は
単純にオッサンが無能なだけであり、俺自身は
浮気調査なども巧みに調査出来る。この町のあらゆる
猫事情に常日頃から神経を尖らせているからだ。
まぁ、かなり都心から離れた郊外なので
地形的には把握しやすいのだが、狸や蛇などの
縄張り荒らしにも、詳しいのも自慢だ。
ちなみに密室殺人なども解決できるが、
残念ながら猫は密室殺人はしない。
もし、そのような事態があれば人は俺を
三毛猫ホー○ズだとか、金○一猫助とか呼ぶだろう。
だが猫社会が平和であるからこそ、そのような残忍事件の依頼はない。
人間諸君は猫社会から学ぶべきであろう。
前置きが長くなったが、今回の事件について話しておこう。
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