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カーテンで仕切られた保健室のベッドの上。
ふわりとカーテンが揺れる気配を感じて、ほんの少し意識が目覚めかける。
……先生……かな……。
そう思ったけれど、でもまだ瞼を開けることなんて出来なくて、
だんだんとまた、意識が途切れていく。
そんな風に、夢と現実の境目をうろうろしている時だった。
私の前髪に、ふわりと柔らかな何かが触れた。
……今の……何?
考えつく暇もなく今度は睫毛に、こめかみに、首筋に、
柔らかなそれは、私に優しく触れていく。
……蝶みたい。
何度も私に触れるその様は、ひらひらと舞いながら何度も花にとまる蝶の姿を連想させた。
ひらひらと舞っていた蝶が、今度は私の唇にふわりと舞い降りる。
蝶はくすぐるように触れたあと、私の唇を、ちゅ、と吸い上げた。
唇に触れた熱と、
甘く芳醇な香りに、
私の体が次第に熱を帯びていく。
……私、キス……されてる……。
ぼんやりとした意識の中で唇と体に熱を感じながら、
私はまた、深い眠りの淵に吸い込まれていった。
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