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「いや、勘弁してください。僕、小さい子とか苦手だし。」 「冗談ですよ。でも、本当に助かりました。ミサトさんが心配して居るので、もう行きますね。」 ふふふ、と悪戯っぽく笑うと、凛子は葉月を抱きながら会釈して、下に降りて行った。 ー『お兄様って、ちゃんとわかってるんですよ。』 小さい熱の感触が、手に残っている。 「だとしたら、馬鹿なんだな。」 部屋のドアを開けた所で呟いた。 血は半分も違うのに。 沢山の時間を過ごした訳でもないのに。 自分は誰からも愛されるものだと思い込んでいる。 見たものをそのまま信じる。 馬鹿だ。 真っ白過ぎて、痛々しいほどに。 ーせめてもっとマシな母親だったら良かったのにな。 半分他人だというのに、この先で絶対にぶつかる彼女の行く末が、予想できてしまうと、胃の辺りがムカムカするような吐き気を覚えた。
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