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残った俺は。
「…なんで付いてくるの?」
言い終らない内に、後ろを振り返った。
「…へへ」
そこには、傷だらけのままの、先程の少年が悪びれも無く突っ立っていて、やはり笑っていた。
「別に助けてやったつもりはないよ。こっちの事情、こっちの獲物だったってだけ。さよなら。」
これを何度か繰り返しているのだが、少年は頭が弱いのか、理解できないようで。
俺は仕方なく溜息を吐いて、思案する。
「付いてきて、どうすんの。」
「…何でもするから、俺を雇って。」
「雇うって…お前、幾つだよ?」
「18」
「嘘吐け」
「本当だって。高校行ってねぇけど。」
「チビすぎんだろ。」
「…食ってないからかな。けど、背はこれでも170越えてるよ。」
「親は?」
淡々としたやりとりに、一瞬だけ間が空いた。
「…知んねぇ。」
おかしくもない内容なのに、少年の口角は上がりっぱなし。
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