happy birthday

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あれだけうるさかった蝉の声が、いつの間にか随分静かになっていたことに、ふと気がついた。 暴力的な暑さも、随分おさまって、朝夕には涼しい風が吹くほどだ。 長く続くように思えた夏休みも、あとわずか。 8月も残すところ、約一週間だ。 …そんな、8月の午後。 「…はあ」 マシになったとはいえ、日中はまだまだ暑い。 おれは、クーラーのきいた、近所の図書館に避難していた。 たまには、夏休みの宿題を余裕で終らせちゃおうかなー、なんて思ったのだけど… 「…んー…」 集中できない。 元々勉強が好きではないというのもあるけれど 「…でさ…」 「あ、知ってる…」 「…だよね…」 ひそひそ聞こえる話し声。 夏休みの図書館は、学生の避暑地になっているようだ。 (…図書館では静かにお願いしまーす) なんて、こっそり思ってみたり。 …ま、おれも友達がいたらあんなかもしれませんけどね。
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