君の記憶

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「はぁ…はぁ…」 1人雨に打たれ佇む男。その手には刃のない刀と苦痛の表情の男の生首。男の顔は少し幼く、10代だということを物語っている。しかしその手に持つ武器は殺気を放ち、今にも人を殺さんとばかりである。 「なんで…こうなったんですか…」 すぐ後ろには多数の足音が聞こえてくる。しかし男は振り向かない。振り向くそぶりさえしない。何故なら男の武器を一振りしただけで後ろの足音は止み、悲鳴が上がったからだ。強い。この男、圧倒的強さで人を殺している。しかしこの男は、『泣いていた』。 「私は…ただ皆と生きたかっただけなのに…人間とは…傲慢なのですね。やはり、殺さなくては…」 男の目に決意が満ちた。しかしもう遅いことを男は知った。前から歩いてくる男はよく知った人物であった。南の王、月村影月。 「よう、楽ランク。お前を…日本政府命令で殺しに来た。だが日本も惜しいことをする。日本に5人しかいない楽ランクを殺すなんて…」 「うるさい…人間は7つの大罪を持っている限り人間を殺さなくちゃいけないんです!貴方にもそれが分かるでしょう!」 「ああ、分かる。だから俺はお前を殺さなくちゃならない。これ以上、被害者を出さない為にもな!『八坂ツン』が死ぬのは『当たり前』!」
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