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「案外簡単に出られたな…檻の強度がこの程度だったのか…それともこの武器が強いのか…わかんねぇや」
「まあ確かに。じゃが、我らの武器は意外にも形が複雑じゃ。何かの力の法則でも働いたんじゃないかのう?」
「私の武器…一瞬火花が散ったと思ったら爆発して物凄い速度で降り下ろせたんですけど…」
ウー…ウー…ウー…ウー…
『脱獄者発見!脱獄者発見!脱獄者の名前は永井喜楽、金鎖健真、高砂こまっちょ。性別は男!年は16!3人とも武器を所持している模様!繰り返す!脱獄者発見!脱獄…』
バキャンッッ!
「うるさいんですよ。何回言えば気が済むんですか」
「すげぇ…ツンさんの武器って加速が付いてんだな…振り下ろす所が見えなかった…」
「そんな事より早く逃げますよ…って、もう囲まれてるんですね」
喜楽達を囲んだ敵の数、およそ500。それも厳重な檻を見張っていた兵士である。その辺の人とは違い、対能力戦闘のエキスパートだろう。
「さてと…どうします?」
しかし健真は別の事を心配していた。3人で500人をどう分けるか。である。こいつらを殺すのは当たり前である。こう考える子供はそういないだろう。
「決まってんだろ…俺は200だ」
「我も200じゃ。文句は言わせん」
「はぁ…分かりましたよ。私が100でいいですよ」
「ほんじゃあ…行きますかね!」
三人の行動はたったの25秒で終わった。500人の強者をたったの25秒で皆殺しにしたのである。
「そろそろ出るか…親父の怪我も気になるし…それに殺愚楽組のNO.8を捕まえて喜助を戻さなきゃいけないし…」
喜楽はクローバー・ネフィスト・レディアに一通りの事情は聞いていた。今の南の王が安田を助けたこと。殺愚楽組の狗魔芽違が喜助を異次元に飛ばしたこと。そして…能力が死んだことを。それを踏まえて喜楽は乗り越えた。喜助を助け出し、安田を起こす。そして…何事もない日常を手に入れる。この何事もない願いが今の喜楽を動かしている物と言ってもいいだろう。
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