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拓也の優しさに美加が心を寄せていったのが見て取れた。
「民子、この前イランイラン試すって言ってたけど、どう?もう実行したの?」
「うううん、まだよ」
サークルで水蒸気蒸留装置を作っているときに美加が突然聞いてきた。
「そうなんだ、拓也さん寂しがってるんじゃない?」
「え?なんで?」
「うん?この前拓也さんがそんなことを言ってたから」
え?拓也そんなこと美加に話したの?
何で?
拓也の行動がよく分からなくなってきた。
彼はとても面倒見が良くて優しい。
美加と二人でいたのも、美加の相談に乗っていたから。
拓也は背徳なことはしない、それだけは信じられる。
でも……、私の知らないところで美加にそんな話して欲しくないよ。
その日の晩、拓也に話した。
「今、忙しい?」
「いや、風呂も上がって涼んでた所だけど、どうした?」
「うん……
あのさ、突然なんだけど美加のことどう思ってるの?」
突然こんな事聞くなんて、拓也も不審に思ってると思う。
でも、聞かずにはいられない。信じているけれど、不安になって、気がついたら単刀直入にそんなこと口走ってた。
「民子、お前この間から変だぞ。
美加ちゃんのことだけど、好きか?と聞かれれば友達として信頼してる。でも、恋人のような愛情はない
それよりもお前、何で美加ちゃんのこと毛嫌いするんだ?
この前、美加ちゃん言ってたぞ、民子に嫌われてるような気がする……って」
「え?!……毛嫌いなんてしてない、確かに拓也に手料理を食べさせるのは嫌だと思ったし拓也が美加の腰をマッサージするのも見ていて辛かったけど」
「とにかく、美加ちゃん寂しがってたぞ。
もっと美加ちゃんと仲良くしてやれ、それでなくても今、彼女寂しい思いしてるから、わかったか?」
「う、うん。わかった」
また、美加か……
美加が悪い子で無いのはわかるけど、こうも拓也が
美加の肩ばかり持つと、本当に美加のこと嫌いになりそう
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