第3話 揺るがない過去

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そこにいたのは俺と同じ歳ぐらいの男だった。 「誰だよ?」 「君の力を見て仲間にしてほしいんだ」 「俺は不良ではない」 俺は断った。 「じゃあパートナーは?」 「はあ?」 こいつさっきから何を言ってるのだ? 「少しだけでいいからついて来てくれない?」 「....分かったよ」 どうせ暇してたし、このまま家に帰るわけにも行かなかったからな。 俺と謎の男は歩き始めた。 「ここだよ」 薄暗い道を抜け出して着いた場所は、何だか怪しい建物だった。 「何だよここ?」 「いいから入って」 俺達は中に入った。 「な...!!」 部屋には15人程の人がいて、トランプをしていたり、携帯で遊んでいたりと溜まり場みたいなばしょだった。 「よう初!」 「そいつ誰?」 「まさか新入り?」 何だこいつら? 「どこだよここ?」 「ここは青年政府革命団のアジトだ」 「....」 返答に苦しんだ。 「要するに、学生運動みたいな?」 「うーん、まあテロに近いけどそんな物かな...」 「それ言ったらだめだろ?」 結局テロ組織だったらしい。 「大体、この数で政府と戦うのか?」 「まあ催眠術とかで大規模なデモとか起こしてるから結構やれるよ?」 「国家規模の犯罪だよな!?」 そんなことするやつ本当に居たんだな 「さらに俺達はこんなのも持ってるよ」 「それは...!?」 法治国家の日本では所持が制限されているハンドガン さらにアサルトライフルまで出してきた。 「俺達は政府と戦うために武器を所持する、しかし人は殺さない、それがこの組織のグループだ」 「...よく言うぜ」 武器は人を殺すために生まれたもの、それが事実なんだ。 「確かに都合のいい話だ、だが人を殺したらそれは平和ではない、お前だってあの時殺しはしなかっただろ?」 「....!!」 見られてたのか... 「殺すわけない...」 「なんで?」 「警察に捕まるから...」 「違う、お前の心に光があるからだ」 「...!!」 光?俺は人を食らう化け物だぞ? そんなの... 「あるわけないじゃん...」 「あるさ!お前のその力は人を殺める力ではない、人に希望をもたらす力なんだ!」 「綺麗事ばかり言うなよ!」
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