函館の地。

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「暑いなぁ、北海道も……」 高校、最初の夏休みを北海道一人旅に費やすと決め込んでいた俺は、北海道にある『函館市』と言う場所に来ていた。 理由は大の新選組好きで、その中でも新選組の鬼の副長こと『土方歳三』の最後になった場所に一度は来たかったからであった。 勿論、来たのには他にも理由はある。 海に面したこの函館市の新鮮な海の幸が沢山食べたかったとか『100万ドルの夜景』と言われる絶景を見に来たかったとか色々な事を楽しめるからこそ『函館』を選んだ。 だから、この旅行の三日間は思う存分に楽しむと心に決めていた。 そして初日は着いたのが夕方近くと言う事もあり先ずは「夜景だ!」と予約していた旅館に荷物を置き、夕御飯を部屋で一人済ませてから旅館を出て『函館山』へ向かった。 俺が函館山に着くとロープウェイには沢山の人だかりが出来ていた。 函館の観光スポットでもある、この場所はやはり人気がある様子で、待つ事は覚悟していたがロープウェイに乗れたのは、それから一時間も経過してからだった。 「ふぅ。やっと乗れた……」 思わず疲れて一人言を呟いたら周りの人から「クスッ」と笑われた。 狭いロープウェイの中では皆には良く聞こえたらしく、注目を浴びた為に慌て外を眺めその場を凌いだ。 そうこう、している内にロープウェイは頂上に着いたので順番をきちんと守りながら降りた。 すると頂上には沢山の人が夜景を楽しんでいた。 そして辺りを見渡すと思わず気がついた事があった。 「てかカップル多いなぁ……」 明らかにカップルの比率が高く、何だか一人が急に恥ずかしくなって来た為「さっさと夜景を見て帰ろう」と夜景が全て見渡せる所まで移動した。
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