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歳美姉さんと勝敗が決し、二人仲良く眠っている頃……
「へぇ。まさか歳美さんに勝つとは驚ろきですね勇音さん?」
道場の扉を開け勇音の前に、短めのポニーテールが可愛いらしく顔立ちも整った誰もが納得する様な美少女が一人、入って来て言った。
「………総子見てたのね」
その美少女は勇音から『総子』と呼ばれていた。
「はい。最初から最後まで見てましたよ」
「そう……なら、どう感じた総子は?」
「どう、ですか?」
「そうよ。剣聖の太刀や動きを見て、総子はどう感じた?」
「う~ん。只者ではないですね?かなりの手練れの者かとは感じましたけど」
「そう感じたけど総子なら勝てると言いた気ね?ふふ」
「実際やってないから解りませんが五分五分って所ですよ」
「五分五分か……して、どうしようかしらこの二人」
「とりあえず男は一旦また縛り、別部屋に寝かせて置けば良いのでは?」
「そうね。じゃあ総子は歳美を運んでくれる?」
「えっ!嫌ですよ!なら私が、その男を運びますから勇音さんが歳美さんを運んで下さい!」
「もう!何で貴女達は、そんなに仲が悪いの?」
「知りません!歳美さんに聞いて下さいよ。そんな事より、この男を縛ったんで連れて行きますよ?では……」
勇音から総子と呼ばれた娘に何故か今度は両足を縛れた剣聖。
そして、まるで犬を散歩させるかの様に縄を握った総子と呼ばれる娘。
その総子にズルズルと引きずられ手荒く連行された剣聖だった……
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