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最早なにがしたいのか解らなくなった私は、部屋に二人切りの状況が気まずくならない様に口を止めなかった。
「殺す前に聞くけど、どんな女がタイプなのよ!」
「えっ!タイプですか?そうですねぇ……明るくて優しくて一途な娘かなぁ」
「いつも屯所では底抜けに明るくて、これと決めたら絶対に揺るがない程に一途ですが?」
「はぁ……そう何ですね」
「それで終わり!!」
「いや、それ以外に何の答えを求めて居るんですか?」
「もっとあるじゃない!私のタイプとかも聞きたくならないの!」
「別に……」
「えっ!聞きたくの!!」
「い、いや……じゃあタイプ教えてくれますか?」
「目の前に居る人がタイプです!!何て恥ずかしくて言える訳ないじゃない!剣ちゃんって馬鹿なの?」
「…………いや言っちゃってますよね。多分ツッコミ入れる所ですよね?」
「あっ!ち、違う!今の無しでお願いします!」
「はぁ。別に良いですけど……てか殺す気ないでしょう?」
「別に良いの!本当は嫌なんでしょう!無しに何てされたくないでしょう!てか私に剣ちゃんを殺せる訳ないじゃない!」
(なら最初から殺す前提いらなくないかな……本当に訳解らないな、この人。沖田総司ならぬ総子は天然なのか……)
「剣ちゃん?」
「はい。何ですか?」
呼んで素直に振り向く所が可愛いし、思い詰める顔も格好良い!とか思うと、またまた胸がギュッ と苦しくなっていた。
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