沖田総司ならぬ沖田総子?現る!

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総子チャンが居ると話が出来ないからと今度は勇音さんの部屋に連れて来られた。 ただ今回は先程とは少し違い脚や腕、それどころか一切身体のどこにも縛られなかった。 それだけ俺への疑いもかなり減ったと見て良いだろう。 「それでは剣聖。二人になった所で聞くけど、羽織りは本当に盗んでないのね?」 「はい。盗んでません」 「そう。なら話は変えるけど何故に先程の歳美と総子の争い止めたの?」 「はい?何でって……そんなん仲間同士が殺し合うなんて駄目に決まってるじゃないっすか。って俺、何か変な事を言ってますか?」 「ふふふ。言ってないわ。解った、剣聖を信じるわね。羽織りの件」 「今の質問だけで良いんですか?」 「勿論。私達を謀っているのならさっき二人には死んで貰った方が刺客にしても得でしょ?なのに剣聖は躊躇わずに二人を止めた。あれだけで充分な証拠よ。違う?」 「確かに言われてみれば」 「と言う事よ。それより今後の事なんだけど……」 犯人の疑いも晴れて安心したのも束の間。 確かに未来から来た俺はこの後、何処に行けば良いのか…… それどころか早く帰る方法だって見付けなければならかった。 そう思い考えていると扉の外から優しい女性の声が聞こえた。 「勇音さん。敬子です?」 「敬子、待ってたわ。入って?」 「はい。では失礼します」 二人のその扉越しのやり取りを首を傾げながら見ていたら扉が開き一人の美しい!女性が入って来た。 その綺麗な人は俺にニコリと微笑み会釈して来た。 女性から溢れ出てる優しいオーラと素敵過ぎる笑顔に見とれていたら勇音さんが紹介してくれた。 「山南 敬子よ。一応、家の総長ね」 「山南……山南!ってまさか!」 俺が叫んだのを聞いた勇音さんは少し驚いた顔をし尋ねて来た。 「敬子を知ってるの剣聖?」 「い、いえいえ。知りませんよ!初めてお逢いしましたからね!」 (おいおい!山南ってあの新撰組の総長の山南敬助か!って敬子?またしても女だし!つうか激美人じゃないか!) 一人、敬子さんの美しさに興奮していたら「ふふふ。そんなに見つめないでくれます?えっと……剣聖さん?」と微笑まれた。 そして俺は、その顔を見ただけで悟った……この人は確実に優しい!と。 そんな一人興奮してる俺を他所に二人は会話を進めていた。
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