素朴なシンフォニー

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そこはとある場所 そこは目の前に海があり そこは背後に山があり そこは訪れる人はほぼいない場所 また、僕が訪れる場所 誰もいない斜めに敷き詰められた デコボコで硬い席 隣はいないが 今日も一人の客として 僕は来る すでに演奏は始まっているようだ ずっとずっと前から始まっている 僕が生まれる何千万年前の音 それは今も変わりない 時に荒々しく 時に穏やか 何百万年前からか 演奏者がどんどん増えて 何十年前からが一番多い たまに現れアクセントを出してくる エンターテイナー しかも、指揮者が3人いて、気まぐれに変わってく こんなユニークな音楽どこにある? 客もいない だけど、24時間永遠に続けている 興味ないと吐き捨てる だけど、ステージにいる演奏者は生き生きしている 嫌な心を癒してく自然の音 質素だけど、美しい音色 僕の心を癒してく そこは本当にある場所 そこは素朴で何もない そこはほぼ無観客のコンサート会場 そこは、空と大地と海が送り出す 永久に続くどこにでもある 自然のシンフォニー
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