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『次のニュースです。昨日の午後23時頃に春日町生物学研究所で大きな爆発がありました。死者は約61名、行方不明者は…』
「隣街じゃねぇか…。」
午前3時24分。
ソファーで寝ていたが空腹で目が覚めた青年は付けっ放しにしていたテレビを見て驚く。
寝癖がついた茶髪で少し襟足の長いウルフカットの髪型を整えながらニュースの続きを見続けた。
死者61名。行方不明者28名を生み出した大きな爆発事故が隣町で起きている何て事があれば誰でもそのニュースに釘付けになるだろう。
「…腹減った。」
彼…便利屋の社長、《秋月 仁》はテレビを消し、コンビニに行く用意をした。
「…あ~。」
事務所でもある我が家の玄関を開けると嫌な事に雨が降っていた。
飾り気の無い傘立てからビニール傘を一本引き抜き、差し、出発した。
「あー冷えるわ~。厚着すればよかった。」
冬に入るか入らないかの11月の下旬。コンビニまで歩いて約10分弱。夜中に何が悲しくて一人傘を持ち腹の足しになる物を求めてコンビニに向かっているのだろうか?
車で行来たかったが相棒が今持ち出している。
「ぁ~寒ぅ………。」
11月の下旬の雨。コンビニに向かう途中、人気の無いトンネル前で病衣服を来た人間が倒れていた。
「………。」
関わらない方がいいと思う。
と、言うか関わらない方が利口なこともある。
病衣という事は病人だろう。足を見ると足の裏は一体どの距離を歩いて来たのだろうかわからない位血塗れだ。雨に打たれてこのままだと身体にも悪いのも分かる。だが…。
そいつは銃を持っていた。
「………。」
頭の中ではわかっている。
だが、仁の腕はその人間を抱き上げた。
「…何この天使…。めっちゃ可愛い。」
倒れていた美少女は仁のどストライクゾーンど真ん中にぶち当たっていた。
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