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護衛の武装兵を二人連れ、モニタールームから出て行く。 「………。」 連れて行かれた所は屋上のヘリポートへ向かうエレベーターとは逆の通路。 先にあるもう一つのエレベーターに乗り、1階のボタンを押す。 ここは海の近く。 研究所には小さな潜水艦を用意している。 基之達はそこから脱出するつもりだ。 「!?」 エレベーターのスイッチを押しても反応がなかった。 定期的な検査をしているはず。故障などありえない。 では、誰かが故意に破壊したとしか考えられない。 しかし、侵入してきた仁や裕司、ましてや治利がこのエレベーターを破壊したとは考えられない。 「会長!一階から複数の侵入者が!!」 「な!?」 モニタールームに居た一人の武装兵が一階のモニター画面を見て焦った声で基之に報告する。 複数やってきた人物達は木之本の組員。 四葉会だ。 「瀬戸が先に来てるはずだ!屋上を目指せ!!」 「坂平がぁ!何処にいやがる!?」 「ぶっ殺してやる!!」 一階では四葉会の組員が裕司達の後を追ってきた。 上にも下にも敵が迫っており、エレベーターも使えない状態だ。最早袋の鼠としか言いようがない。 「どーすんすか?会長さん??」 「黙れ、化け物が!!」 挑発的に笑う聖月に基之は平手打ちをする。 エレベーターがなくても非常階段で下に降りる事ができる。 基之はその非常階段へと向かおうとした。
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