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「!!」
突然の事だった。
聖月が側にいた武装兵の顔面を蹴り上げた。
見事に顎に蹴りが入った武装兵はそのまま倒れた。
一瞬の隙をついて聖月は走り出した。
「聖月!」
茂雄が叫んだ瞬間だ。
もう一人の武装兵が聖月の左足関節に向かって銃を発砲した。
「っ!」
撃たれた事によりバランスを崩した聖月はそのまま滑り転んだ。
「…っ…。」
立ち上がろうにも後ろで手を縛られ上手くバランスが取れない。
「…何の真似だ?」
後ろから殺気を立たせた基之が近づいてくる。
「カハッ!!」
基之は倒れこんでいる聖月の腹部に怒り任せに蹴りを入れ込んだ。
「逃げられるとでも思ったのか?馬鹿が…。愚かにも程があるわ!」
「父さん!!」
銀色の髪の毛を掴み上げ無理やり顔を上げさせる。
その時の聖月の顔は
笑っていた。
「化け物が…遂に頭までもウィルスに侵されたか?」
「…頭可笑しいのはお互い様だろ?」
先程から挑発的な態度を取る聖月に殺意が芽生える。基之は掴んでいた髪の毛ごと、聖月の頭を床に叩きつけた。
「随分と痛めつけられてるじゃねぇか?」
突然の聞きなれない声が聞こえたと、顔を上に上げた時だ。
聖月の足を撃ち抜いた武装兵が銃声と共に吹っ飛んだ。
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