わからずや

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ピンポーン インターホンを鳴らす 『はぁーいどちらさま?』 「あ、おばさんこんばんわ!」 『あらななちゃんいらっしゃい!開いてるわよ。どーぞ』 門を開けて玄関に入る 「おじゃまします!」 「こんばんわ」 「こんばんわ!おばさんごめんね。夜遅くに来ちゃって。」 「いいのよ。ななちゃんは家族みたいなもんなんだから!」 「ありがとう」 「将(しょう)なら二階に居るわよ?」 「うん。おじゃまします」 私は将の部屋へと向かった 将は幼稚園の頃からの幼なじみ 住んでる家も向かい側でとても近い 中3になった今でも用事があればこうして家に来ているのだ 最近となっては私が一報的に通っているだけなのだけれど 一報的になったその理由もなんとなく分かってはいる でも私は将が好きだから 将が誰かの物になるまではこうしていたい この恋心に気づいたのは中学に入ってからだったと思う お互い部活に入り、小学の時のように毎日遊べなくなってからだろうか あんなに近くに感じていた将がすごく遠くに感じて 寂しさから恋しさに変わっていった ドンドン背が伸びて、声変わりもして大人びていく将にドキドキした このまま誰かの物になるなんていやだ 少しでも長く一緒に居たい! そう思ってから、こうして用事を作っては通っているのだ 「しょう。入るよ」 反応なし いつものことだけど それがOKだということだ 「やっほ」 「んだよまた来たのかよ。つうかノック位しろよ」 最近将の態度は冷たいのだ でもめげない 「数学の教科書見せて?今日宿題出たんだけど教科書学校に忘れてきちゃって」 「・・・ったく。ほら」 「ありがとう」 なんだかんだ言って優しいのだ じゃあテーブル借りるね 部屋の真ん中に置いてあるテーブルの前に座って宿題にとりかかった 少し経ってから
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